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ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!
「?!」
ざっぱーーーーーーん!!
「おえっぷ!!おえっぷ!!何だよ!!海の波が!!俺を襲ってきたぁぁぁぁーーー!!
ヒエェェェェェェェェェェェェ!!ずぶ濡れ水浸しィィィィ」
「何だよお前は?見掛けない鳥だなぁ?」
「はい?」
波をもろに被って、ブルブルと羽根を震わせて水気を払ったヤマドリのパンテラは、目の前に仁王立ちしている白い鳥にギクッとなった。
「『はい』じゃなくて・・・!だから、お前は何なんだよ?!」
ふみっ。
「ぐえっ?!」
「こりゃまた失礼。長すぎるんだよ尾羽がお前は。だ・か・らぁ!お前は何なんだよ?!」
白い鳥は、更に威圧的にヤマドリのパンテラに逼迫してきた。
「え・・・えーと・・・お、俺は『ヤマドリ』です。向こうの山に住んでる『ヤマドリ』ですぅ。ヤマドリの『パンテラ』ですぅー。」
「で、その『ヤマドリ』が何で此処に居るんだ?」
ヤマドリのパンテラは、モジモジしながら答えた。
「や、山の森で生きるのが・・・嫌気がさして・・・海に・・・」
「ぎゃはははははははははは!!」
白い鳥は、腹を抱えて砂浜を転げ回って大笑いした。
「な、何がお、おかしいんだ?!お前は?」
「おい、『山』の生活が嫌になって『海』にだと?!『海』だって『山』みたいに厳しいど?!
あ、申し遅れた。俺は『ウミネコ』ってもんだ。名前は『ワック』。」
『ヤマドリ』がどうかは知らんが、『ウミネコ』だって生きるのが大変なんだよ?!
第一、お前は魚食えるか?」
「さかな?さかなって何?」
首を傾げるヤマドリのパンテラの頭を、ウミネコのワックはパシッと叩いた。
「ほおら、駄目じゃん。で、お前の好物は?」「木の実。」
「『木の実』なんか海に有るわけねーだろ?!だから海に有るのは『魚』だよ!!それにさあ・・・おめえ『ヤマドリ』じゃん。が。海住むには、脚にヒレがないとダメだよ。海を泳ぐんだからさあ。
今さっき、波が来てずぶ濡れになっただけで大騒ぎしたじゃん?!
お前、悪いけど『海』の生活には向いてないよ。
俺が『山』の生活に向いてないのと同じだ。
俺、『ウミネコ』はお前みたいに木の実は食うの苦手だし翼の構造上、山の中を飛ぶのが苦手さ。」
「・・・。」
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