109人が本棚に入れています
本棚に追加
ついでに、856歳という中途半端な時期に魔王に選ばれた。その時に 「お傍にて尽くします」 とやってきた、身長179近くの人間容姿年齢24歳、当時魔物実際年齢1059歳の男。生まれつきだろう金髪を腰付近まで綺麗に伸ばし、綺麗な青色の瞳。他の女魔物からモテモテな容姿だろうその姿の持ち主が現れた。そんな男の名を“シェイル” と言った。
そして、今も控えめにほほ笑みながら、魔王の椅子にてふんぞり返っている俺の隣に立ち、楽しく狩れそうな場所を考えている。
他にも俺に仕える者はいるが、懐いているのは数名。
魔物のくせに庭をいじるのが好きな男や、料理に命をかけている男。掃除が大好きな気の強い女と、情報収集の為自主的に旅に出ている男がいた。
「人間には罪があります。我々を殺そうとしている」
「それは無暗に人を殺すからだろう? 人間は敵だと感知したものは人だろうが魔物だろうが殺すんだ。俺たちと同じだろうが。魔力を持ってるか持っていないかの違いだろう?」
「…あなたはもっと
「魔王らしくしろ?」
「わかっているなら」
「んー。別に魔王だから、“あれしてくれこれしてくれ”って言われないじゃんか」
「恐れられているから言えないのでは? いいことです。アマシュリもそう言っていたではありませんか」
いいことなのだろうか。
王として魔物の要望を聞き、どういう風にこの世を持って行ってほしいという希望を聞かなければいけないものだと思っていたが、王となって数年後、特別何もしなくていいという結論になった。
最初のコメントを投稿しよう!