第1章 第1話

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 にっこりほほ笑みそういうと、想像や聞いていた魔王の性格とはかけ離れています。気に入りましたと言って、微笑んだ。  それから情報がほしいときにはテレパシーを飛ばしたり、自主的に城に訪れ、いい情報や悪い情報を伝えてくれた。いい友だ。 「アマシュリかぁ…元気にしてるかなぁ」 「お呼びしますか?」 「ううん。いいよ。俺が会いに行く」 「では、今いる場所を聞いておきます」 「いいって。探すよ自分で。たまには運動しなくっちゃね」  そう言って椅子から飛び降り、両手を合わせて天井に向けて身体を伸ばす。  最近、魔物の領域に人間が入り込もうとしてきているという話がある。アマシュリから聞いたわけではないのに、閉じこもっている俺の耳にまで入ってきているということは、相当被害があったのだろう。  その駆除もしておきたい。  実際、人間は嫌いじゃない。楽しいし、技術を持っている。最近、人間が作ったゲームというものが気に入り、人間のフリをしては、買い求めに走ったりしていた。  拘束魔法以外、魔力が強いわけではないアマシュリのためにも、魔術者を近寄らせないようにしなくてはいけない。
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