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俺、魔王が成立するまで、人間と魔物の領域は混ざっていた。だが、そんなことは争いが起き続ける一因にしかならないと考え、魔王になって一番初めに、領域の確保を行った。魔王の城を中心に、徐々に人間の土地を占領し、広げさせた。そして、ある程度の領地領海領空を手に入れた後、広げるのをやめさせた。
人間の土地がなくなってしまうのは可愛そう。という心で。
もちろん、魔物には伝えなかった。
『全ての領地を奪ってしまったら、楽しくないだろう?』
そう微笑み止めさせた。
そんなんで止まると思っていなかった為、呆然としてしまった。
「さて…。出かけるか」
「魔王。これを」
「外、寒いか?」
「冷え込み始めています」
「そう」
シェイルは、黒いロングコートをそっと肩にかけてくれる。
その手付きがやさしく、そこが女にもてるんだろうなと、ほほえましくなる。が、優しく見えるシェイルでも、魔物だ。いったん戦闘態勢に入ると、相手が死してもなお、切り刻もうとするしつこい性格をしている。
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