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微笑むシェイルの口元。それだけが印象に残ったのち、剣がルーフォンに向かって振られる。目を閉じることもできず、剣先が視界の右下あたりでとらえた瞬間、地面からいきなり黒い壁が現れた。同時に剣が壁にぶつかり、鈍い音が響き渡る。
すぐに我に返り、距離を開ける。アマシュリもすぐに近づいてきては、何が起きたのかと驚いている様子ではある。
シェイルは片足を上げ、その壁を蹴り壊す。それとともに後ろに大きな影ができる。シェイルが振り向くと、地面から出てきたいくつもの木の幹のような太さのある蔓が、シェイルに向かって力強く突き刺してくる。地を蹴り避けるシェイルを、しつこくいくつもの蔓が追う。避けきれなかった蔓が、シェイルの左肩をかすめる。
微かによろけたシェイルの足元から別の蔓が現れ、片足を絡ませ動きを止める。
避けきれないを察したシェイルは、剣を振り、向かってくる蔓を切り刻む。
空中にいたリルは、すぐさまシェイルの元へと向かうと、動けないのをいいことに、打撃を与えようと拳に魔力をためる。横目でリルを確認すると、長い金髪の髪が動く。
足を止め、すぐに距離を開けようと下がるリルだが、その髪からいくつもの針が飛び出しリルを襲う。
「自由にもほどがある…!」
風を自分の背からシェイルのほうへと送るように出し、針の勢いを失わせる。
シェイルの後方から蔓が突き刺そうとするが、その蔓すらも、髪がいくつもの剣へと変わり、対応させる。
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