第35話

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 シュンリンは地に足を置き、俺を置いて今にもシェイルのほうへと向かおうとする蔓にバランス良く乗り、近づくなり、飛び降りてシェイルに向かって電撃を飛ばす。  電撃の対処はないのか、防御をすることなくその電撃を直に受ける。  シェイルの動きが弱まると同時に、シェイルの足元に暗闇を見つける。円状に開いたかと思えば、ある程度の距離までそれが開く。何か起きたのかと、リルとリベリオが円内にはいらないよう距離を開ける。  脈を打つようにうごめき、くらやみからいくつ赤い色の筋が見える。  過去に一度見覚えがある。ルーフォンの魔術だ。  大きく赤い筋が脈を打ったかと思えば、上空に向かって地面からいくつもの槍が突き出される。  槍は待つことなく、血になるように赤色に破裂し、赤い雨を垂らすように地面へと舞っていく。シェイルを確認すると、出てくる槍の位置を瞬時に確認したのか、微かにのがれたシェイルだったが、シェイルの左腕を槍は捉えていた。他にも切り傷があったが、右腕で左腕を抑えながらも、視線がこちらへと向く。  先ほどの槍でとらえていた蔓は外れ、地を蹴りつけこちらに瞬時に飛んでくる。どうにかするにも素早いその動きに追いつかず、身を構えるだけになる。     
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