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避けるリベリオに援護をするかのように、リルは横から鎌鼬を送るが、食らってもリルのほうを向くことはなく、一直線にこちらに向かってくる。
剣に変えていたはずの髪は、通常の金髪へと戻っている。その髪先をこちらに向けてくる。
「リベリオ。針だ」
「くっ」
互いの間に水の膜を作り、防御壁のようにかざすが、シェイルの初めの針はそれを崩し、第二弾としてきた針が俺たちを襲う。
庇うように針に背を向けたリベリオは、いくつもの箇所に針が突き刺さる。
「リベリオ!!」
翼が消え、返事がないままそこから落下する。すぐさまリルが受け止めに下のほうへと飛んでくるが、上からは勝利のほほえみを見せたシェイルが、右手で剣を振りかざしこちらに向かって降下してくる。
微かに力がこもっているリベリオの腕から離れ、リルのほうへとリベリオを押し出す。微かにリベリオが呼ぶ声を耳に入れたが、うっすらとほほ笑んで見せた。
「バカッシレーナ!」
「魔王!」
シェイルに向かい、ルーフォンから受け取った剣を片手で構え、振り下ろしてくる剣を受け止める。
そのまま振りきることなく、押し出すように地面のほうへと降下してくる。
シェイルの体重と降下してくる力を、微かにある魔力で剣を手放さないよう強化する。
「くっ…」
「今のあなたが私に敵うわけもない…」
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