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髪をいくつもの鋭い刃物へと変え、突き刺すように狼に向かって応戦していたシェイルに、弾を手に込めシェイルに向かって投げつける。髪で防御する様に振り払う。何度も何度も弾を投げつける。振り払うたびに、長髪は徐々に削れていく。
「シェイル、意外と短髪も似合うんじゃないのか?」
嫌味を言うように楽しげに言うと、うっすらとほほ笑み、バカにするような目でそうかもしれないですねと答えた。
残りの髪で戯れていた狼を切り裂く。弾を投げつけその髪すらも、長さを失わせる。
「まさか魔術であれほどの攻撃力を作れるとは思いませんでした」
「舐めてかかった結果だな」
小ばかにするように言う言葉を、鼻で笑い飛ばされ、髪で作った剣を地面に突き付けていた。何をする気かと構えると、魔力をためた弾をこちらへと投げつけてくる。
地を後方へ蹴り、魔法で見えない壁を作って防御するが、受けた強さがそのまま体に響き、後ろへと吹き飛ばされる。
先ほど受けた背中のダメージがまだ癒えず、背中から地面へと突きつけられた痛みが、よりダメージを上乗せしてくる。
体勢を整え前に進もうとするが、ダメージが脳にまで響いているのか、視線が歪み一瞬めまいを起こしてしまう。
「くっ…」
剣を土に刺し、体重を加えてめまいに耐える。
剣を持ち直し向かってくるシェイルに、こちらも剣を持ち直し、向かう。
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