最終話

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 でも居なくなって気づいたのですが、貴方は最後までみんなに本当の名前を教えていかなかったですね。まぁ、呼ばれても魔王で長い年月呼ばれて来たので反応できないのでしょう。まさか、ご自身でお忘れになったわけではないでしょう?  貴方の場合あり得そうで怖いです。  ところで貴方はどうしてますか?  たまには一報くらいください。  無理なのは知ってますが、いつも貴方は無茶でわがままばかり言ってきたのですよ。たまにはこちらからも言わせてください。  あ、やっぱり一報は要らないです。怪奇現象は勘弁です。  貴方と過ごした日々、とても楽しかった。死ぬ思いもしたし、今こうして生きていることが奇跡に感じてます。  老衰で死ぬことは、ほぼない歴とした魔物な僕です。人間の土地にいると、自分がおかしいと思えてくるのです。メッシュがいてくれて良かったと本当に思う。でも、ルーフォンは先に貴方に会いに行くことでしょう。それもまた悔しいです。友をまた見送らなければならないなんて。  これは自分に対しての罰なんです。貴方を最後まで守ることが出来なかった罰。きちんと償います。でもメッシュがいてくれているので、あまり罰になっていない気がします。  あ、すっかり忘れていましたが、ユンヒュとは会いましたか?     
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