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ザザー…ザブン…ザザー…ザブン…
少しづつ、感情の波が引いていく。
当麻の鼓動と、海の鼓動が一つに溶け合っていく…。
「俺、お前の事好きだ。ずっと、前から」
耳元で囁くように告げられる声。全く理解不能だった。
「嘘つき!!いつも萌恵に見惚れてた癖に!」
一気に現実に返り、彼の腕から逃れようとするも、
その腕に力を込められ、逃れられない。
「誤解させたなら謝る。
萌恵は、俺が知らないお前の話をよくしてくれたんだ。
それに可愛けりゃ誰だって普通に見惚れるだろ。
お前だって、イケメン見たら見惚れるだろ?
それに好きな奴の妹なんだ。大切にして当たり前だろ」
ザザー…ザブン…ザザー…ザブン…
「でも、萌恵…当麻の事…」
「知ってたよ、萌恵はとっくに。俺達の気持ち」
…当麻を好きになって構わない?…
そうか、だから萌恵は…。
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