第6話 海を見ていた

2/2
前へ
/15ページ
次へ
ザザー…ザブン…ザザー…ザブン… 少しづつ、感情の波が引いていく。 当麻の鼓動と、海の鼓動が一つに溶け合っていく…。 「俺、お前の事好きだ。ずっと、前から」 耳元で囁くように告げられる声。全く理解不能だった。 「嘘つき!!いつも萌恵に見惚れてた癖に!」 一気に現実に返り、彼の腕から逃れようとするも、 その腕に力を込められ、逃れられない。 「誤解させたなら謝る。 萌恵は、俺が知らないお前の話をよくしてくれたんだ。 それに可愛けりゃ誰だって普通に見惚れるだろ。 お前だって、イケメン見たら見惚れるだろ? それに好きな奴の妹なんだ。大切にして当たり前だろ」 ザザー…ザブン…ザザー…ザブン… 「でも、萌恵…当麻の事…」 「知ってたよ、萌恵はとっくに。俺達の気持ち」 …当麻を好きになって構わない?… そうか、だから萌恵は…。image=505958027.jpg
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加