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プロローグ
海を見ていた。
辛い時、哀しい時、いつも見ていた。
胸が張り裂けそうに悲しい時。
辛くて、辛くて、でも誰にも言えない時。
海を見ると気持ちが落ち着いた。
例え、現実には何も変わらなくとも。
規則正しく刻み込まれる波。
それは時に激しく白波を立て、そして水面(みなも)に消えていく。
さながら地球のリズム、
ひいては宇宙が織り成す生命の鼓動に感じられた。
自分の悩みなど、宇宙から見たら
なんとちっぽけなものだろう?
そう思えた。
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