プロローグ

1/1
32人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ

プロローグ

海を見ていた。 辛い時、哀しい時、いつも見ていた。 胸が張り裂けそうに悲しい時。 辛くて、辛くて、でも誰にも言えない時。 海を見ると気持ちが落ち着いた。 例え、現実には何も変わらなくとも。 規則正しく刻み込まれる波。 それは時に激しく白波を立て、そして水面(みなも)に消えていく。 さながら地球のリズム、 ひいては宇宙が織り成す生命の鼓動に感じられた。 自分の悩みなど、宇宙から見たら なんとちっぽけなものだろう? そう思えた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!