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後日判明した事だが、サマーキャンプが行われていた場所は太平洋戦争時代に日本軍の駐屯基地があったらしい。そこから多くの若者が戦場に出撃し命を散らしたとか・・・。
敬礼をよこした兵隊も若かった気がする。
あの夜も彼らは戦場へ出撃したのだろうか?
戦争が終わってすでに半世紀以上の時が流れている。
それなのに彼らの魂はまだ戦っているのだろうか?
だが、あの兵隊は微笑んでいた。敬礼をしながら確かに微笑んでいた。
あの日本兵達は己の運命を呪いながら死んでいったんじゃないと思う。と、兄は話を締めくくった。
あの頃の私は南の島に住める事をただ無邪気に喜んでいました。
あの島が経験した悲惨な戦争と鉄の雨と泥の中に消えていった魂の存在を知らずに。
穏やかな時間と癒しの風が流れる島。
もし、あなたが美しい南の島を訪れる事があったなら、そこに平和を信じて戦った人達がいた事を思い出してください。銃弾に倒れた住民たちがいた事を知ってください。
あの島には兄が見た日本兵達以外にも多くの魂が彷徨っています。
その魂が少しでも早く戦争の呪縛から解放されるように祈ってください。
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