ボクは海が好きだった…

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「いいえ、海姫城で御座います」  後ろから女の声がした。 「えっ、うみひめじょう?」  ボクが振り向くと、これまたドレス姿の美しい女がいた。 「このたびは、海亀を助けてくださり、ありがとう御座いました」  その礼として、ボクは楽しい毎日を過ごしていった。  毎日、美味い酒を飲み……  毎日、美味い物を食べ……  毎日、見たい映画や演劇を見た。  ――が、海姫はいつも、 「奥の間には、絶対に入ってはなりませんよ」
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