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彼と私の会話を他人が聞いたらどう思うだろう。
男の人は特に悪びれた言葉遣いをかっこいいと思いがちだが、彼は特に不良そのもの。
「草食え!草っ」
「草って言うな!サラダだ」
口が悪いく、達者で、いつも言い負かされないようにしていたら、私もいつしか口が悪くなっていた。
口も根性も捻くれた彼だったが、私を喜ばす事は確実に逃さない。
それが心地よく、「好き」という言葉なんて聞けなくても幸せに感じた。
いつものパターンがあって、彼が仕事が終わったり、暇だったりすると連絡が来て迎えに行く。
そして、食事をして、あれやこれや話している内に押し倒されてしまい、SEX。
「なあなあも良くないなぁ」って思い、そして甘い言葉も欲しくて一度だけ彼に聞いた。
「私達は、付き合ってるの?」
そう聞くと、あっさり交わされてしまった。
「馬鹿。いいか!俺達は、隙間を埋める仲なんだよ。」
付き合っていると思っていたのは、私だけだったみたいだ。
彼は、「彼氏」ではなく、ただの「男」で、私は「彼女」じゃなくて、ただの「女」
好きとか、愛してるとかは、超えた仲らしい。(彼論)
呆れた台詞にも、惚れた弱み。
甘い言葉もなく、期待した自分にも呆れた。
その時、怪しめば良かったと後悔しても後の祭り。
突然の別れが来るまで、結局そのままの関係が続いていた。
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