定職につきたい

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定職につきたい

就職試験でことごとく落とされている俺は、面接帰りに、気持ちを切り替える為に、小綺麗な喫茶店に入った。 コーヒーを注文する。 「はぁ……定職につきてぇなぁ」 小さく呟いたつもりが、店主には聞こえていたらしい。 「え? 定職につきたい? じゃあ、うちに来なよ」 切羽詰まっていた俺はとりあえずの仕事として「お願いします」と言った。 「丁度足りなくって困ってたんだ」 落ち着いた店なのに人手が足りないらしい。 店主に誘われるまま店の奥へと行く。 「よかったよ。常連客の定食の材料が足りなくなっていたんだ」 彼は大きな鉈を手に取り振り返った。 俺は定食の付け合わせなんかにゃなりたくねーよ。image=507284947.jpg
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