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嫉妬深い女
会社帰り。
彼に早く会いたくて帰路を急ぐ。
自分の出せる限界で走っていると、彼の背中を発見した。
「亮君っ!」
嬉しさのあまり思わず声を漏らすが、離れた場所にいる彼に、私の声は届かない。
彼の隣を見ると、綺麗な女性が楽しそうに笑っていた。
「え? 浮気?」
カッとなった私は、くっつきすぎる二人の距離を広げようと、思いっ切り二人の間に突っ込んだ。
テレビのコントのように飛び上がって倒れるほど驚く二人を、大袈裟すぎだと苦笑した。
「ねえ。二人して何なの? 浮気の弁解くらいしなさいよ」
車から降りると、寝転んだままピクリとも動かない二人に文句を言った。
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