メシテロ・メトロ

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 わたしの職場は地下鉄の食堂車。  仕事はもちろん接客と調理。 「へーい大将、やってるー?」  常連客のひとり、サブリナが乗り込んできた。  ん? サブリナさん、人間なのに触覚が2本生えてる。  触覚は2本とも先端がまん丸の目玉だ。  そして前髪が長くて本来の目元を隠している。 「ヨォ、店長。オレ様も来てやったゼ。オムライス食わせろヨ」  でっかくて輝いている綿帽子も乗り込んできた。  あ、いや、綿帽子さんは宙をふわふわ飛んでいた。  なんですか、このファンタジー全開な方々は。 「い、いらっしゃいませ」  わたしはちょっとびくつきながらあいさつした。 「びっくりした? 錬金術の実験で失敗しちゃってさー。あたしはこんなすごいことになっちゃうし、弟子は弟子でケサランパサランになっちゃうし」  サブリナはアハハと笑った。  綿帽子さんはお弟子さんでしたか。  それはさておき、この食堂車が、というより、この路線そのものがファンタジー世界につながっている。
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