帰省時の変わりようは異常

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桜姫side 「……ふぅ」 なんとか全階層、全員に顔を出せたな。 後はサフィルとカノンとヘラと両親と…あいつだけか。 現在屋上で缶コーヒー飲んで座ってたりする。 「人払い、か…」 この駄菓子屋の屋上は小さな遊園地になっているらしく、夕方でも人で賑わっているらしい。 だが、今は人の気配を感じない。 静かすぎる。 「アハッ」 何処からか聞き覚えのある声が聞こえる。 「よぉ、椿姫」 「えぇ、久しぶりね本体様?」 俺の半身…俺の女体化影神モードから生まれた人格、椿姫・シルエッカ。 「わざわざ人払いするとは何事だ?」 しかも姿を見せない。 「観覧車まで来てくれればワタシの姿を見れるわよぉ」 ……。 仕方ないので立ち上がり、観覧車の所まで向かう。 「椿姫、お前…」 「…アハッ、醜い、でしょう?」 椿姫の姿は右眼だけ残して黒くなっている。 「…何をした?」 「…力の使いすぎ、かしらねぇ…本体様の中で休憩出来なかったから疲れたわぁ…」 …あぁ、なるほど。 いくら俺の半身とはいえ身体は作りものだしな…力の影響で身体が壊れるのも無理はないのか。 俺は元々影である為、同じ身体は作れない。 影を作れない。 椿姫の身体は限りなく俺に寄せた偽物に過ぎない為、どうしても力の影響が身体に出てしまう。 「…そうか。ゆっくり休め」 「えぇ…おやすみなさい…」 椿姫を抱き締め、椿姫は俺の身体の中へと入り眠ってしまった。 「ぐっ…!」 その瞬間、今まで椿姫に蓄積されてきたであろう痛みが俺を襲う。 生きてきた中で一番のダメージだ。 という、か…意識が、保てそうに… ぼふん 「…桜姫」 「さ、フィ、ル…?」 もうだめぽ。 プツン
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