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「…美男美女だったね」
「自慢の友人だ」
水晶は魔力を使い切ったのか、砕け散ってしまった。
これでもうあいつらの顔はもう見れないのか…。
「あの…オウキ…」
「世界樹の事件、あれは俺が存在しているから起きてしまったんだ」
俺さえいなければ、影なんて存在しなければこんな事にはならなかった。
「名も無き英雄だかなんだが言われてるけどな、英雄だなんて言われる資格は俺には持ち合わせていない」
…こんな事を言ってもあいつらは関係ないだとか言ってくるんだよな。
「ナギサさんはオウキは弱いって言ってたけど、何となく分かってきた気がするよ。オウキは誰よりも弱いんだね」
「あぁ。俺は誰よりも弱者だよ」
だから?き抗い続ける。
強くなろうと、強くあろうと。
「ねぇオウキ」
「なんだ」
「私と友達になってよ……ううん、これから私とオウキは友達ね」
マスターの顔はとても優しげな顔だった。
こんな影しかない俺に手を差し伸べてくれるとはな…。
『本体様、貴方は世界を救った。それだけでいいじゃない』
椿姫…起きたのか。
『だからこれからも世界を守り続けましょ?』
……。
「…はぁ、しょうがないな」
「何その可哀想な人を見る目!確かに私はぼっちだけど!」
むすっと怒るマスターを横目に砕けた水晶を見て呟く。
「ありがとな」
「え?何か言った?」
「今日の下着は何色かな、とな」
「青かなー」
「そこは恥ずかしがれよっ!!」
逆に俺が恥ずかしくなるわ!!
「友達だし別に…」
…あ、これダメなやつだ。
「おーけーマスター。マスターには魔法よりも友達との付き合い方というのを教えてやろう」
「えぇー…」
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