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ここに住んで四年が経過していた。
夜中のチャイム
見えない住人の声
歩き回る足音
壊れる電化製品
腐る食べ物
無数の御札
俗に言う、怪奇現象が毎日のように繰り返されていた。
金縛りも例外ではない。
やっとこの部屋を離れようと決めた日。
同階(3階)に住んでいるサラリーマン風の方に思い切って部屋のことを訊ねてみた。
その方は10年ほど住んでいるらしく、私の住んでいる部屋は『とても出入りの激しい部屋』との事…。
ある日、仕事から帰ってきたときに、一週間ほど警察の黄色いテープが張られていたらしい。
それから数日後、その部屋を出た。
そういえば、大家さんは退室する部屋を確認する事も無く、敷金を全額戻してくれた。
久しぶりに近くを通りがかった。
気になってそっと見上げてみると、既に新しい住人がいた。
今でもそのマンションは存在している…。
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