真夜中のチャイム

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1週間後、その部屋へ入居した時まず最初に御札が貼ってあった場所に目をやると、綺麗に御札は剥がされていた。 それでも何となく不安は残っていました。………が、引越しの片付けに追われ、数日が経った頃、新しく購入したばかりの電化製品という電化製品が原因不明で壊れ、夕方作った食事も、真冬にもかかわらず2時間後には腐っていた…。 この頃から、気持ちよく生活することが出来ず、友人を部屋に呼んでも 「この部屋、何か嫌。ずっといたくない」 と言い、すぐに部屋を出て行ってしまう。 そんなある日… 夜中にピンポーン、とチャイムが鳴った。 時計を見れば、時刻は午前2時過ぎ…。 「こんな時間に…?」 と思っていると、まるで急かすかのように何度も何度もチャイムが鳴る。 ピンポンピンポンピンポンピンポン… 仕方なくドア越しに 「どちら様ですか?」 と、声を掛けるが一切の返事がない。 怖かったから、ドアを開けずに部屋に戻ろうと背を向けた瞬間。 ピンポーン… 恐怖から怒りに変わった瞬間だった。 「つぎ鳴ったら思いっきりドア開けてやる…っ!!」 ドアノブに手を掛けて次に鳴るチャイムを待った。 ピンポーン…                                  鳴った!! その瞬間思い切りドアを開けた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 誰もいなかった。 すぐにドアを閉め、チェーンを掛け、部屋に逃げ込んで恐怖が再び蘇った時。 部屋の外の廊下をギシギシと誰かが歩き回るような音が聞こえ出した。 チャイムの音は、もうしなかった。
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