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こうして打ち合わせも大方済み、あとは普段どおりの飲み会となった。
楽しい雰囲気のなか、ケンが酔いにまかせて、調子に乗って言った。
「いやー、俺の知り合いでさあ、夜中にオバケが枕元を歩き回る家に住んでるヤツがいるんだよな」
すると高田も悪ノリした。
「マジ?俺の知り合いにもそういうヤツいるぜ」
確かに加藤の家の事だとは言っていないが、放っておけばコイツら、そのうち口を滑らすだろう。
「お前ら、いい加減にー」
僕が言いかけたところに、加藤が驚きの表情で身を乗り出した。
「なに、お前らの知り合いにそういう家があるの?実は、俺んチもそうなんだよ…」
僕は、全身が氷ついた。
ヘラヘラしていたケンと高田も、表情を失っている。
「え、どうしたの?」
まだ分かっていない気の毒な加藤に、僕は告げた。
「バカ、コイツらが言ってるの、お前んチの事だよ…」
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