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その翌日の夜、加藤から電話がかかってきた。
「昨日はアリガトな。じいちゃんの具合どう?」
「まあ、年が年だからな。今のところは一進一退だよ。お前も律儀だなぁ、昨日のお礼の電話か」
蛇足だがこの会話、僕は自宅の自分の部屋に引いた、固定電話でしている。携帯電話の一般への普及は、あと3年ほど待たなければならないー。
「うん、このあとケンと高田にもかけるよ。で、昨日さあ、直人が帰ったあと、飲みのピッチが急に上がってね。ケンは帰ったんだけど、高田が潰れて、結局泊まってったよ」
「ふーん、でもお前、今日仕事だったんだろ?アイツ、朝いっしょに起きれたの?」
「いや、かわいそうだから起こさなかったよ。合鍵があるから、それを置いて、俺は会社に行った。昼過ぎまで寝てたんじゃない?たぶん」
電話を切って5分ほど経ったあと、その電話機がまた鳴った。
今度は、高田からであった。
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