the underground(地下鉄)

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『御乗車有難うございました。終点、合歓木、合歓木です。お忘れもののないようにお降り下さい………』 ドアが開くと同時に男の子が、駆け出していった。お母さんが必死で呼び掛けているけど聞いちゃいない。 僕もあんなだったんだろうか。 クス、と笑いが零れる。 僕はゆっくりと席を立った。 プラットホームの欄干から大きな川が見える。 山に向かうほうには川に掛かる橋が銀色に煌めいている。 川向こうの土手には桜並木。春は綺麗だろうな。 そして駅の横手。 桜並木はないけれど、河川敷に大きな木が我が物顔に枝を広げている。 スマホを出して、カメラモードに切り替えて拡大してみる。
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