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白い丸ブラシの先にピンクの粉が付いたみたいな花が沢山くっついている。
これがネムノキ。
今まで見たことあったかな。
見ていても見てなかったのかもな。
もっと近くに行こう。
こんな遠くじゃよく判らない。
階段を降りて改札を抜け、プラットホームから見えた川に向かう。
静かだ。
頬と、脳内のもやもやしたものを暖かい川風が撫でていく。
いつの間にか夏がそこに来ていた。
土手につくと目の前にさっき見た木。
緑の葉の間からピンクのポンポンが空の青に向かって私はここだと主張してる。
儚げな花なのに。
小さくても、まっすぐに尖ってる。
僕も、尖れるだろうか。
『ネムが咲いたら梅雨明け、と言われたのよ、昔は。』
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