10人が本棚に入れています
本棚に追加
目覚めと同時に「うわ!」と叫びながら急ブレーキを踏みました。
「寝ちゃった!」ことは、すぐに分かりましたが、自分が今どこにいるのかが分からないんです。舗装された場所なのですが、道路にしては広すぎました。
心臓をバクバクさせたまま視線を右に向けると、車が走り抜けていくのが見えました。
「ああ、そうか・・・・・・ここはパーキングか」
そう思った瞬間、とてつもない震えが体を襲いました。
つまり私はこういう状態だったのです。
居眠り運転をして、無意識のうちにハンドルを左に切り、たまたまそこにあったパーキングエリアにすっぽりと飛び込んだのです。
探してもなかなか見つからなかったパーキングエリアに、目を閉じながら入るなんて偶然は、はたしてどれほどの確率なのでしょうか?
この時のことを家族や友人に話しても、誰も信じてはくれません。
まるで全てが夢であったかのように片付けようとするんです。
この日に起きた奇跡的な出来事を振り返ると、いつも叔母に関連付けてしまいます。
叔母が幽体離脱して、私を助けてくれたのではないかと思ってしまうのです。
次に叔母と再開したのは、亡骸になってからでした。
私は自分を救ってくれた叔母に何度も感謝しながら、見送りました。
最初のコメントを投稿しよう!