10人が本棚に入れています
本棚に追加
私は会話の途中で時計をチェックしました。今から出発すれば、暗くなる前に帰宅できると頭の中で簡単な計算をしていました。
「もう帰るの?」叔父は寂しそうに言いました。
「うん。また来るよ」
「そうかい・・・・・・次は通夜かもしれないけどな」
「ちょっと、そんなこと言わないでよ!」
「気をつけて帰ってね。眠くなったら車を止めて少しでもいいから眠ったほうがいいよ。無理して運転したら駄目だぞ」
「わかった」
こういう場合の「わかった」ほど、軽い返事はありません。
結局私は、眠いのを必死に堪えながら、車を走らせていました。
峠に差し掛かった時、眠気は限界まできていました。
どんなに辛いガムを噛んでも、瞼は勝手に閉じようとするのです。
「マズイ・・・・・・やっぱりどこかで休もう」
こういう時にかぎって、パーキングは見つからないものです。
路肩に車を止めて休もうかな? と思っていた頃だったと思います。
私はスッと眠りに落ちていたのです。
最初のコメントを投稿しよう!