最終話

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「お、おい、泣くなよ。ごめんって……。」 関野は、抱きしめている手を緩め、顔を覗き込んできた。 「隼兎?」 恥ずかしさと、嬉しさと、色々混ざりあっていると「ちゃんと、言わせて?」いつになく甘く優しい声が頭から降ってきた。 思わず顔を上げて見ると「隼兎、付き合ってくれないか?もう、セフレはやめて、俺の恋人になってほしい。こんな形で言われるのは、嫌かもしれっ―――――」 言い終わる前にまた抱きついた。 「嫌なもんか!!もう、君なしじゃダメな身体になっちゃったんだからなっ!!」 宮……関野は、ホッとしたのか、体の力が抜け僕の肩に頭を凭れた。 「どうなるかと思った……。嫌われたらどうしようってずっと考えて……。」 頭をそっと撫でてあげながら「これでもう、セフレじゃないね、僕たち。」 関野の顔を上げさせ、おでこをくっつけはにかんだ。 関野が僕の名前を呼んでくれるたびに、僕は、ふわふわとした気持ちになる。
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