第一話

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*** 宮との出会いは、ゲイが集うそういう場所。高校生の僕は本当は出入りを許されないけど、店長の飯淵さんが良くしてくれるお陰で、年齢を誤魔化して来店することが出来ている。 そこで、初めて宮と出会った。 スマホをずっと弄っていて、ヤリたそうなおっさんどもが声をかけようが無視を決め込んで、結構すかした奴だった。 僕は、そんな宮から少し離れたカウンターの隅に腰を下ろし、ノンアルコールカクテルを飲んでいた。 「井鍋(イナベ)くん、今日もかわいいねぇ?。今日くらいおじさんと遊んでくれないのぉ?」 「あは!ごーいーん。そう言うの嫌いじゃないけど、僕人待ちだからごめんね?」 誰も待ってないけど、タイプじゃない人にはこうやって断っておけば、悪い印象は与えない。 少なくとも、少し離れて座っている、あの人みたいにはならない。 「隼兎(ハヤト)、ほい。」 飯淵さんが、追加のノンアルコールカクテルを出してくれた。
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