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宏輝さんは、先ぶり~っと片手をヒラヒラさせて満面の笑顔で語りかけてくる
ビシビシと周りの女性の視線を浴びる中、私の前へ近付いてきた
「…あの、どうされたんですか?よく、私が ここにいるって分かりましたね…」
「どうされたかって? こーれ、ちなっちゃんのだよね?」
そう言ってポケットから取り出したのはルカくんキーホルダーがついた家の鍵。
あ… いつのまに……
「あ、ありがとうございます!」
「それ、恋愛クリスタルのキャラクター、ルカくんだよね?」
……え?
宏輝さん、ルカくんの事 分かるの?
え、どういうこと?あれは乙女ゲームで、、
宏輝さんが、するようなゲームじゃないんだけど……
「それ、僕もやってるんだよね。友達に勧められて やりはじめたんだけど、、結構ハマっちゃって。ちなみに俺は、レイくん 推し」
マジですか…
こんな近くに同士がいたなんて…… レイくん推しなのがあれだけど・・
レイくんは いうならば弟系の可愛いキャラで口癖が(僕、お気に入りのクマさんがないと寝れないの)だ。
ルカくん は年下だけどレイくんのキャラとは真逆。口癖が(俺だけを見てくれないと…悪戯しちゃうよ?どうなっても知らないからね)だ。
このセリフを何十回・・いや何百回とイヤホン越しに囁かれてきたのだ
このセリフだけで何回 気絶しそうになったか……
「ちなっちゃん?聞いてる?」
あ… いけない
自分の世界に入りすぎてた・・
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