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急いで部屋着に着替えると、玄関へ向かった
来客者を見た瞬間、覗き穴から確認すれば良かった…と後々 後悔するはめになるのだが……
「はい」
と言ってドアを開けて、立っていたのは……
「昨日ぶり。ちなっちゃん」
は?宏輝さん……!?
ど、どうして ここに……
まさか、さっきの聞こえてないよね…
すごくタイミングヒッタリに、チャイム鳴らしてきたけどさ
「ん?もしかして、取り込み中だったかな?」
何、その意味深な笑いは
やっぱり聞いてたんだ
絶対、聞き耳たててたんだ
もしそうなら……偶然にしても
趣味悪…
「あの…… 私の部屋は、なんで分かったんでしょうか……」
まさか、また気紛れで尾行してきたとか言うんじゃないよね
「ん?気紛れだよ?斗真の後をついてきた」
ハァ…… また 気紛れって言ったし
ストーカー気質あるんじゃないの?宏輝さんって…
ニコニコ笑う宏輝さんの、その笑顔の意味を知った時…ストーカーなんて、まだ可愛らしいものだと気付かされるのだ。
「なんてね…… この隣に引っ越すことになったから、挨拶回りだよ。ちなっちゃん…… はい。どうぞ」
挨拶の品だと思われる白い箱を差し出す宏輝さん
驚きすぎて、思わず落としてしまう
そんな様子に宏輝さんは笑って
「よろしくね。ちなっちゃん」
そう言ったのだ…
「いや……何で隣に?よく私がこのマンションに住んでるって分かりましたよね」
しかも、昨日の今日って…… 有り得ないんですけど
「まあ、簡単じゃない?斗真の部屋を漁れば。隠し方がヘタクソだし、何でも出てくるからね… 暇潰しには丁度いいよ」
暇潰しに探して、私が住んでるからって ここに住もうと思ったわけ……
ハァ……ますます 意味分からない……
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