無関係な関係者。

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  「……はぁはぁ」  上手く息が吸えない。吐けない。苦しい。心臓が痛い。目が霞む。視界が狭い。でも逃げなきゃ。早く遠くへ。  帰るなら勇太くんの両親に挨拶するべき。分かっているけれど、リビングに泣いてぐちゃぐちゃになった顔を出すのは抵抗があった。いや、違う。真琴ちゃんがいるだろうリビングに顔を出すのに抵抗があったんだ。  恐怖に負けた。無礼を承知で誰にも気付かれない様に玄関の扉をそっと開けた。  外の景色が目に入った瞬間、安堵で意識を失いかける。こんなところで倒れちゃダメだ。もっと遠くに行かなきゃ。  塀に寄りかかりながら道路に出ると、 「大丈夫ですか?」  近くを歩いていた男の人が駆け寄って来た。
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