彼女たちの過去。

2/17
前へ
/321ページ
次へ
 商社に営業として入社して3年。  仕事にもこなれ始めた頃、俺の課に新卒の営業事務として入って来たのが美紗だった。  健気で、何にでも一生懸命で、面倒な仕事にも嫌な顔をせずに頑張る彼女。  そんな彼女に恋に堕ちるのに、時間はかからなかった。  一緒に仕事をしながら、たわいもない話を出来る様にまで打ち解けたある日。  お互いの実家が同じ市内だった事が発覚。  地元トークで美紗との距離が一気に縮まった。  仕事帰りに一緒にご飯に行ったり出来るまでになった時、思い切って美紗に告白をした。  『私もずっと好きでした』と顔を真っ赤にした美紗。  可愛くて可愛くて。  こんなに可愛いコが自分の彼女になった事が嬉しくて、自慢で。  美紗との時間は、楽しくて幸せで。  ささいなケンカはあれど、順調に付き合い続けて2年が経った。 「そろそろ結婚しませんか?」  デートの帰りに美紗にプロポーズをした。 「したいです」  涙目になりながら、嬉しそうに返事をしたこの日の美紗を、俺は一生忘れないだろう。  俺は、美紗と結婚する。
/321ページ

最初のコメントを投稿しよう!

977人が本棚に入れています
本棚に追加