漂う嫌悪、彷徨う感情。

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   「美紗、中学時代に私に『どうして私を虐めるの?』って聞いた事あるよね? 覚えてる?」  真琴は美紗の質問に答えず、逆に質問を返した。  「…うん」  美紗が、ぎゅうっとスカートを握りしめた。過去の記憶が蘇ってきたのかもしれない。美紗が恐怖に耐えていた。  大丈夫。今は俺がいる。美紗の恐怖を和らげたくて、美紗の手の上から自分の手を重ねた。  「目障りだった。美紗が。みんながどこかしらのグループに属して、自分より冴えないグループを蔑んで、イケてるグループから洩れない様に神経尖らせて立ち振る舞ってる時に、どこのグループにも入らずに、みんながしている苦労を味わう事なく本読んでた美紗を卑怯だと思った。  仲間はずれにならない様に、周りに合わせて無理矢理足並みそろえる私たちを冷めた目で見て、自分はみんなの日常とは関わらずに淡々と勉強して、成績を上げていた美紗を、セコイと思った。  自分が上にい続けるには、ハブられない為には、常に自分の下に誰かが必要だった。だから美紗を選んだ。それが、イジメの理由。周りに自分の強さを誇示する為に、次第にイジメに歯止めが効かなくなっていった」  真琴によって、美紗が知りたかっただろうイジメの真相が明かされた。
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