992人が本棚に入れています
本棚に追加
結婚の報告をすべく、美紗を実家に連れて行く事に。
俺の両親と美紗は、外で何回か食事をした事はあるが、美紗を実家に入れるのは今日が初めて。
美紗は玄関の前で足を止め、肩も頬も強張らせて緊張しきっていた。
「イヤイヤイヤ。オトンとオカンには何回も会ってるじゃん」
ガッチガチに固まる美紗の肩を揉むと、
「そうだけど、妹さんに会うのは初めてじゃん。変な印象持たれない様にちゃんとしなきゃ」
美紗は俺の手を乗せたまま、肩で大きく深呼吸した。
「大丈夫だよ。気合うんじゃん? 美紗と妹、タメだし」
今度は美紗の背中を摩って落ち着かせようとすると、
「だといいな。勇太くんの妹さんだもんね!! いいひとに決まってるもんね!! 仲良くしたいな」
美紗が笑顔を作り、俺を見上げた。
まだちょっと表情が硬いけれど、笑顔を作れるようになった美紗に笑い返し、インターホンのボタンを押した。
大丈夫。こんなに素敵な美紗を、妹が嫌うわけがない。
最初のコメントを投稿しよう!