漂う嫌悪、彷徨う感情。

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 「そう!! 3番。でも、自分で買いに行くからいいよ。後で店の名前と住所、LINEしといて。私、まじでもう行かないと遅刻する」  床に転がしていた鞄を掴み、立ち上がる真琴の腕を、  「私、真琴ちゃんのID知らない」  『待って』と美紗が掴んだ。  「お兄ちゃんに聞けばいいでしょうが」  『急いでるって言ってるでしょうが!!』と美紗の手を払う真琴。  「…いいの? 聞いても」  真琴とID交換する展開になるとは思っていなかっただろう美紗は、ビックリしつつも嬉しそうに真琴に聞き返した。  「じゃあ、どうやって店の情報を得たらいいのよ? 念力? 無理だし。お兄ちゃん経由ってのもまどろっこしいし。お兄ちゃん、メイクについては無知だから、間違って伝えてきそうだし。てゆーか、家族グループに美紗の事招待しておいてよ、お兄ちゃん。って事でもういいでしょ? 本当に遅れたらどうしてくれるのよ!! 行ってきます!!」  言うだけ言って勢いよくリビングを飛び出して行った真琴。  「い…行ってらっしゃい!! お仕事頑張って!!」  ドアが閉まる前に真琴に手を振った美紗が、『家族グループに招待してもらえるんだ』と呟きながら微笑んだ。
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