977人が本棚に入れています
本棚に追加
「……おじゃまします」
美紗が俺のシャツの裾を強めに握った。
やっぱり今日の美紗は何か少し変だ。
美紗を気に掛けつつ、4人でオトンのいるリビングに。
オトンとオカンが並んでソファーに座り、その正面に俺と美紗が腰を掛けた。
そして、妹が美紗の斜め前に座ろうとした時、
『ヒューヒュー』
美紗の方から変な音がした。
美紗に目を向けると、美紗が震えながら青ざめていた。
「美紗? どうした? 顔色悪いぞ。体調悪いのか?」
美紗の肩を掴んで揺らすと、美紗は俺の顔を見ながら口をパクパクさせ、喉を『ヒューヒュー』と鳴らせた。
喋りたいのに、喋れない様子の美紗。
明らかに様子がおかしかった。
最初のコメントを投稿しよう!