彼女たちの過去。

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  「……おじゃまします」  美紗が俺のシャツの裾を強めに握った。  やっぱり今日の美紗は何か少し変だ。  美紗を気に掛けつつ、4人でオトンのいるリビングに。  オトンとオカンが並んでソファーに座り、その正面に俺と美紗が腰を掛けた。  そして、妹が美紗の斜め前に座ろうとした時、 『ヒューヒュー』  美紗の方から変な音がした。  美紗に目を向けると、美紗が震えながら青ざめていた。 「美紗? どうした? 顔色悪いぞ。体調悪いのか?」  美紗の肩を掴んで揺らすと、美紗は俺の顔を見ながら口をパクパクさせ、喉を『ヒューヒュー』と鳴らせた。  喋りたいのに、喋れない様子の美紗。  明らかに様子がおかしかった。
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