誤解

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同じ学校だったけれど、クォーターで王子様みたいなルックスで、遠巻きに彼を見る女の子たちが後を絶たないほどの。 そして、私の姉の婚約者でもうすぐ結婚間近。 「事務長、ありがとうございます! 行ってきます」 「え、行くってどこに? 紀本さん?」 事務長やバイトの子たちが不思議そうな顔をしながら私を見ていたけれど気にしない。 私は急いで鞄から携帯を取り出すと、いつもより一オクターブ高い声を出すためにんんっと喉をならす。 「も、も、もしもし? 今大丈夫でしょうか?」 『どうしたのー? 大丈夫だよー』 おっとりした喋り方の颯太くんに、ホッとする。 『颯太君って、蒼村怜也の幼馴染みなの?』
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