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綾と美由は双子の姉妹だ。綾が姉で、美由が妹。二卵性双生児で、二人の顔も性格も異なる。
綾は長い黒髪が印象的で、切れ長の目をしている。性格もサバサバしており、クールで少し大人びた感じの女子だ。また、例の『歌が上手いと他薦された唯一の人材』でもある。
対する美由は天真爛漫。ソフトボール部で四番を務めている。色白で、ふわっとした緩めのパーマがよく似合う可愛い子だ。
「美由。お前は何も知らない。静香の困った顔って、すごく可愛いんだぜ?」
説明すると、美由の目がキラリと光る。
「なんだって? 貴志くん、大輔くん。ケンカを続けたまえ」
「仲裁しに来たのに、何とんちんかんなこと言っているのよ」
綾が美由の頭を軽く小突く。美由は「ごめんお姉ちゃん。でも見たい!」と全然反省していなかった。
「貴志くんたち、早く教室出てよ。次、体育でしょ?」
「あ、そうか」
俺たちの学校では、体育は他のクラスと合同で行われる。我が一組は二組と合同で、男女分かれて授業を受ける。当然、着替えるのも男女で別の部屋だ。
しかし、更衣室はないので、一組の教室は女子が、二組の教室は男子が、それぞれ更衣室の代わりに利用する。なので、俺たちが教室で駄弁っていては、女子が着替えられないから出ていけと綾は言っているのだ。
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