転生は突然に

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目的地に着くと、案の定村があった。 陽は、村の人々に話しかけて、ここはどこかと聞いた。 すると、 「ここは王都の傍にある小さな村です。最近魔物が出て困っておりまして……。」 王都? 頭にクエスチョンマークを浮かべる陽。 これまで日本で過ごしてきた陽にとって、王都がどういうものか分からないのも無理はない。 ひとまず、王都へ向かうことにした陽は、村人に礼を言い村を後にした。 すると、後ろから声を掛けられた。 「藤ヶ谷陽、お前には異世界登録をしてもらう。」 突然言われた言葉に戸惑う陽。 「異世界登録……?」 「簡単に言うと、名前や年齢の登録だ。」 なるほど! と手を叩く陽。 「だがしかし、お前には名前を変えてもらう必要がある。」 「なんで?」 「この世界では基本的に名前は片仮名なんだ。つまり、外国人みたいな名前を考えろという訳だ。」 無茶ぶりを言われ、考え込む陽。 折角なら格好いい名前にしたいと思っているのだ。 そこで思いついたのが 「ハル・シャルロット・カトリア」 この名前を、彼に告げると「いいだろう」と言って取り出した機械で登録をした。 今日から、陽からハルになるのだ。 「年齢は14歳で……。あ、そうだ。お前に渡さなければいけないものが……。」 ゴソゴソとカバンを漁る姿は、神様とは思えない。 その姿を見つめていると「あったあった。」と言い、こちらを向いた。 「この本と杖を渡す。どう使うかはお前次第だ。」 明らかに怪しい本と杖。 それを渡されたハルは、不思議そうな顔で見つめる。
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