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「いつもの、頼んどいた」
「あ、ありがとうございます。」
いつもの居酒屋に
いつもの席に
いつものお決まりのメニュー。
もう幾度となく
草壁主任と私はここへと来ている。
普段
会社ではキリッと
スーツを
着こなしている草壁主任も
今は完全に
オフモードでネクタイを緩め着崩している。
そんな
会社では
絶対に見ることのできない
草壁主任の姿を見るたびに
私の中にある彼への好きのキモチは膨らむの。
「で、今日はどうしたんですか?また、彼女と喧嘩したんですか?」
おしぼりで
手を拭きながらそうたずねる。
私達が
ここに来て話す会話の
殆どは草壁主任の彼女への愚痴。
草壁主任は
彼女と喧嘩したり
彼女への
不満がたまるたびに
私へと彼女の愚痴を話してくる。
「それがさ、今週の週末、お互い休みが取れたからアイツが見たがってた映画でも見に行くかって言ったんだ」
「へぇ、映画。いいじゃないですか」
「そしたらアイツ、最近仕事がハードで疲れてるから行かないって言いやがって」
相当、彼女への
怒りがたまっているのか
草壁主任はそう言いながら
ビールをゴクゴクと一気飲みする。
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