嘘で塗り固められた私の日常

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「それは仕方ないですよ。理由も理由なんだし」 「……そりゃあそうなんだけどさ。前にアイツが、最近どこにも連れてってもらえてないとか、ぶつくさ言ってたから誘ってやったんだぞ?」 優しい 草壁主任。 それは 当たり前だけど 私だけではなく もちろん自分の彼女にも同じで ちゃんと 彼女の話を聞いていて 願いを叶えてあげようとしたんだ…… そう思うと少しだけ 草壁主任の彼女が羨ましく思う。 私なら草壁主任からの 誘いを断わったりしないのになって。 「また、来週にでも行けばいいじゃないですか?」 「……まあ、そうなんだけどさ」 草壁主任と 2人っきりで出かけるなんて 私からしてみれば 喉から手が出るほどに羨ましいこと。 だって デートができるのは 彼女だからこそできる特権で その特権は 私がどれだけ頑張ろうと 到底、手の届かない場所にあるから。 ……そう。 彼が彼女と別れて 私を選んでくれない限り、ね……。 「……最近、すれ違いなんだよな、俺たち。」 ボソボソと 小さな声で そう呟く草壁主任は ジョッキに 残っていたビールを力なく飲む。 「……すれ違い、ですか?」 「お互い仕事仕事で、なかなか会えないし久々に会っても、結局はこうやって喧嘩だし。」 .
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