嘘で塗り固められた私の日常

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「……好きなんですね」 「え?」 「なんだかんだ文句を言いつつも、草壁主任は彼女さんのこと、好きなんですね」 口では 文句を言いつつも 本心ではきっと 彼女のことを大切に想っている。 その証拠に 仕事中でも 彼女から連絡がくれば それはもう わかりやすいくらいに 嬉しそうに目尻を下げ微笑んでるし その映画の チケットだって 今、話題の映画で 予約がとれないと有名なほどで サラリと 聞き流してしまいそうな なんてことない彼女との 会話を草壁主任は聞き逃さなかったんだね。 「……まあ、付き合い長いしな」 「ふふっ。主任、もしかして照れてるんですか?」 「照れてねーし。」 そう言いながら ガシガシと 乱雑に後ろ髪に触れる草壁主任。 草壁主任がそうやって 後ろ髪に触れる時は、大抵照れ隠し。 ……悔しいけれど やっぱり2人の間に 私が入り込む余地なんてない。 .
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