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「いつまでも意地張ってないで早く彼女さんと仲直りしてくださいね」
「……まあ、考えとく。」
「さあ、今日はとことん飲みましょう!私、付き合いますよ!」
''早く彼女さんと
仲直りしてください''
そんな
微塵にも
思ってもないことを
平気で言える
自分がたまに怖くなる時がある。
本心では
このまま
別れちゃえばいいのにって
そんなことを願ってしまう私がいて。
最初の頃は
偽る自分のキモチにも
自分の言った嘘の言葉にさえも
心痛め
傷ついていたのに
今では当たり前のように
平然と自分を偽り嘘を並べる私。
心のどこかで
このままでは
ダメだとわかっていても
どうしても草壁主任への
想いを断ち切ることができなくて。
「……江藤、どうした?」
「……いえ、なんでもないです。あっ、枝豆頼んでいいですか?」
嘘をつき
自分を偽るたびに
私が私でなくなっていき
本物の私がわからなくなっていく。
それでも
この道を
選んだのは私自身だから-----。
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