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「……はぁ、私のバカ……」
「お前はバカじゃない」
「えっ、梶く」
「大バカだ。」
「……」
そんな
言葉とともに
荒々しくもドサッと
音を立て置かれたコンビニ袋。
「なに?」
「……やる。」
不思議に思い
梶くんへと視線を移しながら
そうたずねれば
ぶっきらぼうな口調でそう答えた梶くん。
「……私に?」
「他に誰がいるんだよ」
「そ、そうだよね、ごめん。」
コンビニ袋の中身は
二日酔いに効くドリンクや
ミネラルウォーターなどが入っていて
普段は
悪魔のような
梶くんも今だけは神様に見え……
「お前さあ、酒強くないくせに、酒なんて飲んでんじゃねーよ。ってか、飲むなら自分の限界を考えて飲め」
「……はい」
次々と
聞こえてくる
耳を塞ぎたくなるような
ごもっともな意見に返す言葉もない。
前言撤回。
やっぱり梶くんは
梶くんで意地悪な悪魔そのものだ。
「……あれ梶くん。そういえば朝礼出ないの?」
袋の中から
二日酔いに効くと
大きな字でデカデカと書いてある
独特な絵柄のドリンクの
蓋を開けながら彼へとそう問いかける。
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