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「江藤さん」
梶くんの後任で
やってきた新しい主任に
名前を呼ばれ彼のデスクへと向かう。
「これ、確認したからこのまま進めてくれる?」
「はい」
今朝
主任に提出した
企画書を受け取り
書類に目を通した瞬間
そこにあった
今朝私が
提出した時にはなかった
あるものがそこにはあって
驚きから言葉にならない言葉が出た。
「……えっと、なになに、今夜食事でもどうですか」
「ちょっ!」
私の
後ろから
覗き込むようにして声に出し
そこにある文章を読み上げた神部さん。
「なによこれ……」
「わ、私に聞かないでよ……」
私だって
急に主任から
メモ渡されて驚いてるのに……
チラリと
手に持っていた書類から
主任のデスクへと視線を移せば
こちらを見ていた
主任と視線が合い
次の瞬間にはニッコリと笑顔を向けられた。
「……だから言ったのに。」
「え?」
「多分、主任勘違いしたのね。アンタがあんな表情と目で主任を見たりするから。」
「……ねぇ。あんな顔って私、どんな表情と目してたの?」
「……そうね……言葉で表すとしたら、熱っぽい表情で、とろーんとした瞳かな。」
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