指輪に込められた彼からのメッセージ

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彼が 同じフロアにいて 姿が見えて 声が聞こえるのが 私の中で当たり前だったせいか 彼がここにいないことになかなか慣れくて。 ついつい 彼の 姿を探したり 彼が座っていたデスクを 寂しさから見つめていたことはあった。 でも まさか そんな表情と目で 彼のデスクを見つめていたなんて 神部さんにそう指摘されるまで気づかなかった。 「で、どうする気?」 「え?」 「え、じゃないわよ。主任、絶対アンタが自分に気があるって勘違いしてるわよ。」 「そ、そんなまさか」 「だから、現にこうやってアンタのこと食事に誘ってんじゃん。」 彼女に 痛いところを突かれ 返す言葉が みつからず思わず言葉に詰まる。 「最近の江藤、以前に増して綺麗になったからね。」 「え?」 「雰囲気とか、表情とか……」 「そう、かな……」 「相変わらずのネガテイブ思考で天然だけど、やっぱり江藤は変わった。もちろん、良い意味でね。」 自分では 自覚なかったけど もしも 私が変わったとすれば それは間違いなく梶くんのおかげだ。 .
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