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「それで元気がないのね」
「……ん」
「電話したの？」
そう聞かれ
左右に力なく頭を振る。
「じゃあ、家に行ったら？合鍵持ってるんだし。」
そう言われて
再び左右に力なく頭を振る。
「どうして？」
「……頑張ってる彼の……邪魔したくないから。それに、そんな時間もないし……」
きっと
私がひとこと
会いたいって
声が聞きたいって言えば
彼のことだから
私との時間を
無理してでも作ってくれるだろう。
でも
仕事を頑張ってる彼に
そんなワガママ言えるわけない……
本気で
仕事をしている
彼の邪魔だけは
絶対にしたくないから……。
「バカね」
「……バカはバカなりに色々と考えるの……」
「いい、江藤。時間っていうのはね、無理してでも作らないとできないものなの」
「……」
「忙しいからとか、彼の邪魔したくないからとか、そんなのただの言い訳でしかないの。」
「……」
「会いたいなら会いに行けばいい。声が聞きたいなら電話すればいい。相手は彼氏なのよ？少しくらい、ワガママ言ってもいいんじゃない？」
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