嘘で塗り固められた私の日常

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この世の中には 数えきれないほどの人がいる。 それなのに どうして私は アナタしか見えなくて アナタ以外に心動かされ アナタ以外を 好きになることができないのかな------- 「まーた、見てる」 「っ!?」 仕事の手を止め ぼんやりと ある一点を見つめていると ふとどこからか そんな声が聞こえてきて我にかえる。 「アンタ、見過ぎ」 「……いいでしょ。別に見るくらい、誰にも迷惑かけてないもん。」 私のことを なかば 呆れた表情で見ながら やれやれと言わんばかりに 首を左右に振る同期の神部弥生(カンベ ヤヨイ) 「たしかに、江藤の場合は誰にも迷惑かけてないかもしれないけどさ、いい加減彼のこと……諦めたら?」 「……諦めるなんて、無理だよ。だって、好きなんだもん。」 小さな声で そう呟きながら ふたたび彼へと視線を向ける。 どれだけ想っても どれだけ好きでも けして報われることのない そんな恋を私はもう、ずっとしている。 .
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