嘘で塗り固められた私の日常

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たしかに 神部さんの言う通り 私は救いようのないバカかもしれない。 だって 他の誰でもない 自らの意思で 茨の道を選び歩んでいるのだから。 でも それでも そうだとしても私は 草壁主任への好きの想いを 止めることなんて出来ないし止めたくもないの。 それだけ私は 彼に本気で 心を奪われているから-------。 「……よしっ!早いとこ、言われた仕事片付けちゃお、って、あれ……?」 手に 持っていた書類が ふわりと視界から消え キョロキョロと辺りを見渡せば 「ぷっ。なんだよ、お前この入力ミス、ありえねぇだろ。」 「か、梶くん!?」 私の後ろで ニヤリと口角を釣り上げ 私の 入力ミスを見ながら 意地悪な笑みを浮かべる 同じ部署で働く同期の梶くんが立っていた。 .
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